院長コラム リンガルとともに33年
1990年代編|舌側矯正(裏側矯正)の発展期
各国の大学で講習会を開く
 90年代初頭にはヨーロッパの舌側矯正学会(ESLO)が設立され、91年にベニスで初めての大会が開催されました。学会は2日間かけて発表が行われ、そのあと2日間の講習会を依頼されました。
 ヨーロッパではそれが最初の講習会で、それからイタリアには毎年1、2回は行くようになり、10年間くらい続きました。当時、ヨーロッパでは舌側矯正はまだまだ未知の領域であり、治療するドクターもほとんどいなかった時代です。
 のちに装置の開発でチームを組むスクッゾ先生に出会ったのもイタリアの講習会で、私のコースのインストラクター兼通訳をお願いしていました。スクッゾ先生は最初は受講者として参加をされ、何回も受講して内容を熟知していたので私が一言いえば、その何倍もイタリア語で説明してくれるほどでした。
 海外の大学にも招かれてよく行きました。イタリアのフェラーラ大学、ドイツのミュンヘン大学、アメリカのニューヨーク大学のほか、アジアではタイのマヒドール大学、韓国の李花大学でも教えました。韓国には舌側矯正(裏側矯正)そのものがまだ上陸していなかったので、私の舌側矯正(裏側矯正)のコースが初めてということもあり、関心が高く、熱心な受講者が多かったことを記憶しています。その後、韓国からは多くの優秀なドクターが輩出しています。
 行く先々でドクターとの出会いがあり、次にはそのドクターの国に招かれて行くということがよくありました。ドイツに行き始めたのも、タイの国際学会で知り合ったミュンヘンの教授が私のことを気に入ってくれて呼んでくれたのが始まりです。ミュンヘンにはそれから毎年行くようになりました。
 そのほかフランスにも行き、イギリスではスコットランドの英国王立エジンバラ大学医学部で2、3日間の講習会を行い、フェロー(Fellow)の称号を授与してくれました。
 フェローとはアクティブメンバー(認定医)の上のシニアメンバーのような位置づけで特別研究員といった身分です。日本人ではまだ、フェローになった人はいないそうです。
 アジアでの講習会は89年か90年くらいに台湾に行ったのが最初で、台湾には10回近く行っているかもしれません。ホンコン大学にはピーター・チャンという有名なドクターがいて、ホンコンのディーラーも兼ねていてとてもよくしてくれて7、8回は行きました。タイに5、6回、シンガポールにも4、5回、そのほかインドネシア、マレーシアでも講習会をして、中国にも10回近く行っています。
 講習会で使うスライドは自作して持って行くのですが、当時はまだスライド映写機(コダック)を使用していましたが、一つのカセットにスライドを80枚セットできるのですが、カセット27個分、枚数にして2千数百枚にもなり、それだけでもたいへんな荷物でした。パソコンを使うようになってからは、パソコンの画像をそのままスライドにできる機材を購入したり、あまりに忙しい時にはプロの人にお願いしたりもしました。
 今はパワーポイントで説明するので、スティック1本あればよいのですからずいぶん身軽になったものです。

 
 
 
 
 
 
 
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